自由民主党・日本維新の会の両党は12月19日、令和8年度与党税制改正大綱(以下「大綱」)を決定しました。高市政権の下、「強い経済」への決断と実行に向けた決意が込められた内容となっています。数々の施策がありますが、「事業承継税制に係る特例承継計画の期限延長」等が盛り込まれました。
既に、このブログでも記事の内容にさせていただいておりますが、経営者の高齢化が進む中、中小企業の事業承継が全体として進んでいない状況を踏まえ、法人版・個人版の事業承継税制について、今回の改正で以下のように延長されることが発表されています。
・法人版事業承継税制(大綱P65)
特例承継計画の提出期限が、2027年(令和9年)9月末まで延長(現行:2026年(令和8年)3月31日)。ただし、適用期限(2027年(令和9年)12月31日)は、現行どおり。
・個人版事業承継税制(大綱P65)
個人事業承継計画の提出期限が、2028年(令和10年)9月末まで延長(現行:2026年(令和8年)3月31日)。ただし、適用期限(2028年(令和10年)12月31日)は、現行どおり。
・医業継続(医療法人の移行)に係る納税猶予特例、3年延長(大綱P66)
適用期限の3年延長(2029年(令和11年)12月31日まで(現行:2026年(令和8年)12月31日)。
なお、適用期限到来後のあり方については、”令和9年度税制改正において結論を得る”とされています。このため、今後の事業承継の状況、動向が注目されるところです。
※医療機関の経営者も年々高齢化が進んでいるようです。医療機関の場合、経営者は原則医師である必要性があり、持分あり医療法人(2007年度(平成 19 年度)以降新規に設立できないことになっています。)の場合における医業承継(経営者である医師の死亡や退社に伴う相続や贈与)では、「理事長(経営者)」の承継と「出資持分(出資財産)」の承継が行われます。
しかし、出資財産については、相続税の対象となり、その相続税の額が多額となることから、医業継続を困難(医業承継の断念)にしている一因となっているようです。このことは、地域住民に対して良質かつ適切な医療を継続的・安定的に提供するという医療機関の社会的役割を損なうことにもなるため、医療承継の課題は、地域医療の安定性の確保という課題にも通じる大きな社会的課題にもなっています。
このため、2014年度(平成 26 年度)には、持分あり医療法人が持分なし医療法人に円滑に移行し、引き続き地域医療の担い手として医業を継続できるよう、持分なし医療法人への移行計画の認定制度(医療法による認定医療法人制度、)を創設し、認定を受けた医療法人には、出資者の死亡による相続税の猶予・免除、出資者間のみなし贈与税の猶予・免除等の優遇税制(租税特別措置法)が措置されています。また、2017年度(平成 29 年度)には出資者の持分放棄に伴い医療法人へ課されるみなし贈与税の非課税措置も導入されているところです。
※記事の内容(情報)は、「令和8年度税制改正大綱(自由民主党・日本維新の会)」に基づき、情報提供を目的として公表資料から当ブログ運営者が情報収集し、現時点での一般的な概要を参考としてまとめたものになっています。また、税制改正大綱は、方針を示すものであり、今後、国会に提出される予定の法案等の内容が、本記事の内容と異なる内容に変更され、制定される場合もありますので、ご留意ください。なお、個々の情報等に係る詳細な内容については、「令和8年税制改正大綱」をご覧いただき、ご確認をいただくと共に、今後の個々の具体的な対応(実行)については、税理士、弁護士等の専門家にご相談、ご確認いただき、自己責任においてご判断くださいますよう、お願いいたします。
