国際ジャーナリストで作家の落合信彦氏が老衰のため、今月1日にお亡くなりになられました。享年84歳。
この場をお借りして、落合信彦氏のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。落合氏の作品にはこれまで幾度となく励まされ、前を向く力をいただきました。その豊かな表現と熱い情熱に深く敬意と感謝を申し上げ、安らかなご永眠をお祈りいたします。
さて、落合信彦氏といえば、アサヒスーパードライのCMが鮮烈でした。JOHN WARRENが唄う“Take Me Back”をBGMにヘリコプターで油田上空を駆け抜ける姿は、カッコイイの一言に尽きました。当時の私は就職を控えた大学3、4年だったでしょうか。
氏の作品の中で、特に感銘を受けたのは、「ただ栄光のためでなく」。詳細な内容は、はっきりと記憶にありませんが、石油ビジネスでギャンブラーと恐れられた主人公の佐伯剛とUCLA時代の親友である、後に軍人となるマイク、故国イスラエルの諜報機関であるモサドに入り祖国防衛に命をかけるサイモン、物語はこの3人を中心に展開していきます。
物語では、佐伯剛が石油ビジネスで成功はしますが、後に友人の裏切り、愛する人を失い、やがて生きる意味を失くすような生活を送ることになります。そのような中、かっての親友であったマークと対立関係になりつつも、サイモンの説得に応じアメリカ最大の危機を救い、物語は終焉を迎えます。
「ただ栄光のためでなく」というタイトルは、物語終盤、無為な生き方をしていた佐伯が、敢えて敵対関係にある者のために行った最大のギャンブルが、自分自身のために、自己復権を賭けた自分との闘い、男の生き様であったことを凝縮したものだと考えています。
当時、未来に夢を持っていた若い自分は、自分も同じような生き方をしたいと熱く思いました。
さて、時が経ち、私も、今度の4月で還暦になります。私の実際の人生は、本の主人公には足元に及ばない平凡、かつ、カッコ悪いものでした(なお、言い訳になりますが、平凡であることが一番難しいという考え方もありますが…)。
現在は、家族にも恵まれ、今の自分があるのも、今まで自分を支えてくれた、妻、子どもたち、私を育ててくれた両親、尊敬する職場の元上司などのお陰だと、皆に感謝するしかありません。
人生の第4コーナーに差し掛かった自分ですが、氏の訃報を知り、若い頃の自分の熱い思いを懐かしく感じつつ、カッコ悪かった過去の自分へのリベンジを含め、残りの人生を、最後までしっかり使い切ろうと思い直す、機会となりました。
最後に、あらためて、故落合信彦氏に対し、ご冥福をお祈りします。
